古文が大好きな数学の先生のブログ

大学入試を中心に教育系ネタを更新しています。

中堅大〜難関大受験者に必要な古文単語に対する捉え方

イントロ

個人でやってる学習塾で高校生の指導をしています。

今日は中堅大〜難関大受験をされる受験生が私立一般試験や国立二次試験で知っておくと良い古文単語の視点です。

 

私自身は理系で紆余曲折あり、センター試験は何度か受けましたが古典は全て満点です。

記述の模試なんかでも満点の経験があります。

 

私自身がしていた勉強のやり方。また、講師として指導をしていく中で、様々な大学の過去問を研究する中で感じ、普段受験生に求めている点です。

 

※こちら、少しでもたくさんの受験生の参考にしてもらい、前向きに目標達成ができるよう始めたブログです。

当方、学習塾で働いていますが、その塾の集客目的、営業トーク等はない難関大等受験生に必要なリアルで妥協ない意見です。

 

古文単語の扱い方

必要な単語量

以前のブログでも書いたかと思いますが、センターで高得点、二次でもそこそこの点を取るのに必要な古文単語の数は理系400語、文系600〜700語は最低ラインです。

これは早く頭に入れましょう。

ここまでは準備段階です。

 

古文単語の逆引き能力を確認

頭に単語が入ったら、それを逆引きできますか?

例えば、"きよらなり"の意味は?と問われたら、"美しい"が正解ですが、"美しい"の意味の古文単語は何ですか?と問われたら答えられますか?

正解は"きよらなり"、"きよげなり"、"ゆうなり"、"なまめかし"、"うるはし"などです。

 

まだありますが、これくらいすぐにパッと出る子は案外少ない。むしろ、地方国立大志望でもなかなかいませんね。ただ、旧帝大を目指す子の中にはボチボチいます。

 

古文単語のニュアンスの違いを確認

ちなみに、先ほどの上の単語は女性の美などに関してよく使われる表現ですよね。

これらのニュアンス違い分かりますか?

ニュアンスの違いまで説明出来ると、単語に関してこちら側から言うようなことはほぼありません。

 

きよらなり→第一級(最上級)の美しさを表現

きよげなり→"きよげ" の "げ" は "〜風"という意味です。つまり、きよらなりまではいかないが、近いかなというニュアンスで、第二級の美しさです。

ゆうなり→上品な美しさ

なまめかし→字の通り"生"です。つまり、若々しいフレッシュな美しさ。

うるはし→きちんと整った美しさ。

をかし→明るく知性的な美しさ、客観的に評価する言葉として可愛らしい。

うつくし→小さいものや幼い子の可愛らしい

らうたし→幼くあどけない可愛さ

 

これ、全てどの単語帳にも必ず載ってる超重要単語です。同じような意味でも微妙にニュアンスは違うのです。後半二つは大人の女性ではなく、子どもやまだ若い女性によく使われます。

 

"をかし"なんかはたしか、2004年センター本試験で可愛らしいという意味で問1で出題されています。普段、をかしを可愛らしいとは答えないので悩んだ方もいるでしょう。

 

ニュアンスを理解する利点は、話の内容から情景が浮かびやすく、理解しやすくなるんです。

内容理解が深まると、それが文章を読む上で保険となったり、記述ではピンポイントで解釈問題などが書けるようになります。

 

文章読解&語句問題での古文単語の扱い方

形容詞を理解する

文章を読む時のコツにもなります。

大概の受験生が古文を読む上で困るのは形容詞、形容動詞ですね。

特に、形容詞なんかは単語の中で主観(心情)を表すことができる語句です。

 

例えば、現代語でも、可愛いという形容詞はその言葉の発し手の主観が現れます。

友達どうしでもこんな会話ありませんか?

Aくん「はるなちゃんって可愛いよね〜」

Bくん「え〜そうかな?かんなちゃんの方が可愛いくない⁉︎」

こんな会話ありますよね?

つまり、"かわいい"という評価基準は人によって異なりますから、発し手の主観が現れるのです。

もちろん古語になっても同じですよ。

 

プラスとマイナス2択で分ける

この節は文章を読む上でのコツになります。

上でニュアンスの話をしましたが、文章を読みながら、全て毎回ニュアンスの違いを意識して読んでいては、時間が足りません。

また、入試問題たるもの知らない単語が出てくるのも当然。

 

こんな時、対処法があります。

特に形容詞なんかでは結構な力を発揮します。

形容詞は上の節で書いた通り、主観を表します。主観とはその発し手の評価ですから、その発し手が良い評価をしているのか、悪い評価をしているのかを判断すれば良いんです。

 

分からない単語の前後のつながりから、ひとまず悪く思ったのか、良く思っているのかを判断し、読み進めていけば、つまずくことなく、文章は読めていきます。

 

動詞の場合もその動作が、前と後でどのような結果につながるかを考えて、推測してください。前後で話が良い方向に向かっていけば、ひとまず、今までの流れでプラスになるような行動をしたんだな、と、軽く解釈してください。

 

プラスかマイナスか、良く思っているのか悪い思っているのかを考え読み進めるのと、分からないからと飛ばして読むのとではどちらが精神安定します?

分からない〜ってなった時点で時間制限の厳しいセンターなんかでは、焦って精神崩壊、平常心を保てなくなり、受験終了です。

 

プラス・マイナスに加え不等式の視点

良い評価、良い行動をプラスの方向、つまり正の方向

その逆、悪い評価、悪い行動をマイナスの方向、つまり負の方向

 

このように考えると1つ忘れてません⁉︎

そう、正でも負でもない数"0"です。

 

例えばどんなものがあるか。

"よろし"や"わろし"です。


1つずつ見ていきます。

・あし・・・悪い

→マイナスです。つまり、x<0

・よし・・・良い

→プラスです。つまり、0<x

 

これらは簡単です。

しかし、次はどうでしょう。

 

・わろし・・・よくない、普通以下だ

→0を含むマイナスです。つまり、x≦0

・よろし・・・悪くない、普通だ

→0を含むプラスです。つまり、0≦x

 

ここではさりげなく±0が含まれるんです。

これがなかなか厄介。だから、不等式で考えるんですよ。

よろしを"悪くない"とだけ覚えているようではなかなか"普通"の訳は出せません。

 

以前どこだったか忘れましたが、有名私立の一般試験で、よろしの訳を選ぶ問題が出題されていたものを解いた記憶があります。

後からその問題は意外にも正答率が低かったと聞いたことがあります。

 

私立の語句問題は捨て問もありますが、合うならば合うに越したことはありません。

 

最後に

 

どうでしたか?

単語に対する意識が少しは変わりましたか?

古典も国語。英語なんかと同じ語学である以上言葉1つ1つを大切にしなければなりません。とにかく単語です!

英単語4500語とかを派生語やイディオムと一緒に覚えるように、古文単語は細かいニュアンスを意識して1つ1つ注意深く見ていく必要があると思ってます。

 

私の受験時の古文単語帳は古語辞典でした笑

単語帳を4〜5冊やると単語帳に書いてる単語で分からないものがなくなって、欲が出てしまい古語辞典が単語帳になりました。

その頃にからでしょうか。古文の問題を解くのにも、現代文以上にスラスラ理解して読めるようになり、選択肢、記述で悩むことはなくなりました。センターレベルの問題は15分かからず解き上げ、友達にも解説ができるようになってました。

 

これと同じことを皆さんにやれとは言いませんが、とにかく単語です。

1つ1つの単語を注意深く大切にして、受験勉強に当たってください。

 

何か相談等あれば、コメントどうぞ。

お待ちしております。