古文が大好きな数学の先生のブログ

大学入試を中心に教育系ネタを更新しています。

子どもの習い事の注意点と弊害

前回までの子どもをダメにする親と子どもを育てる親シリーズです。

みなさん、お子さんの習い事は何をされてますか?もしくは何をさせようと思ってますか?

お子さんの方から、「〇〇がしたい!」と言われることもあると思いますが、最近では、親の方から、「子どもには〇〇をさせたい」とおっしゃられる方が多いですね。
例えば、ピアノ、そろばん、英会話、スポーツ等・・・

そして、友達と遊ぶ時間は全くなく、1週間毎日何かしらの習い事があるという子もいますね。

そもそも習い事をさせる意味はなんですか?

例えば英会話、

なぜ小さい頃から英語をさせるのか?
という疑問に、
「小さい頃から英語に触れた方が自然に身につくよ。だって英語圏の子供は生まれた時から英語に触れているから、あんな小さい子でも不自由なく英語を話せるんだよ」と答えている人をテレビでも実生活の中でも結構な回数を聞きますよね。まあ、その時に注目されるキーワードは国際性とか、国際的、グローバルな人間にしたいみたいなとこでしょうか。

こういった答えを出す親御さんのゴールは、子どもが英語を喋れるようにすること。英語を喋れるようになればOKなんです。

これは浅はかな考え、いや、愚かな勘違いです。
グローバルな人とは何かを考えた時に、コミュニケーション能力は必要不可欠です。だから、国際言語と言われる英語を話せるということは、大事な条件かもしれません。
しかし、英語はあくまでもツールでしかありません

もっとも重要なことは、幅広い視点から柔軟に物事を捉えられる力、異文化の尊重といったような、お互いの違いに優劣をつけるのではなく、対等に考え、適応もしくはより良いものを作り上げていく力なのではないかと思います。

また、海外に出た際に海外の現地の人があなたに求めているものは何だと思いますか?

それは、日本の文化や日本人の思考といった、海外の人が普段知ることができない日本のことを求めています。

たまに、「日本は・・・がダメなんだ。一方のアメリカはね~」とか、「海外では○○が普通なんだよ」といった、ひたすら日本を批判して、海外の事を称賛する人がいますが、これは、グローバルな人だとは思いません。
最も、アメリカの事はアメリカ人に聞けばいいんです。イタリアの事はもちろんイタリア人に聞くのがベストです。生まれも育ちもその国にいるわけですから。

フランスの事を知りたいとき、
フランス語を話せる日本人に話を聞きたいですか?
日本語を話せるフランス人に聞きたいですか?
絶対に後者の方だと思います。
つまり、”○○かぶれ”のような人は求めていないわけです。


だとすると、本当に勉強しないといけないことは何だかわかりますよね。
それは、日本の事についてです。
日本語を始めとした、日本の文化、日本の歴史、観光地など、47都道府県全てに旅行へ行く、こういった経験の方が、英語を学ぶよりも何倍も大事だと思いませんか?
もちろん、英語も大事ですが、ここでは優先順位の話です

日本の事についてもしっかりと勉強した上で英会話を習う。英会話の先生も最近は海外の先生が多くなっていますので、先生の出身国(海外の国々)について関心を持つ機会になります。そうなれば鬼に金棒だと思います。

最近では、本質を見誤った親御さんも多く、そういったお子さんは英語はできるけれど、国語は全く点数が取れないということが実は多いのです。
そして、小学校の頃は英語得意で通せても、中学高校で英語で点数が取れない、といった子が続出するのです。


さらには、英語ができるなら問題はないと考える親御さんさえいらっしゃいます。

そのため私は、幼児期からの英語学習も気持ちよく賛成はできないのです。


私は、幼児期からの英会話学習について相談された際には、なぜ英会話をさせようと思うのかを深く掘り下げて考えてもらいます。最終的にどうするかはご家庭判断ですので。

 

ちなみに1つ、習い事が多い子、親の干渉が多い子は遅かれ早かれ、無気力人間になる子が多いです。子は習い事をやめたくても、親を悲しませまいと、我慢して続けます。そしたらだんだんその習い事に感情がなくなり、習い事が単なるこなし作業になってきます。1つがそうなると不思議なことに伝染し、どの習い事も流れ作業になり、習い事の成果が出にくくなるのです。

親の干渉が多い子は単純に子どもが考えなくなります。子がやらないから私がするしかないと意味の分からない使命感を持って、身の回りの世話からなんでもする親がいらっしゃいますが、これは最悪ですね。今現状のそうなった原因は親です。

結局子どもが自立もしく自律をしないため、意味がありません。親のその使命感や、そのやり取りは親の自己満足にしか過ぎず、子どもの為ではない、つまり、自分の為なのです。

今日は学校に行きたくない、塾に行きたくないと甘えたりした時、仕方ないな〜と甘えを許し、休ませて代わりに親が家でつききりで勉強を見たりする方、実際に普通にいらっしゃいますが、その子が大人になったときどうするんでしょうか?

今日はきついから仕事行かないと行かなくなったらどうするんでしょう?いつまでも親が面倒見れる訳ではないのなら、それはやめるべきですよね。