古文が大好きな数学の先生のブログ

大学入試を中心に教育系ネタを更新しています。

高校生の国語の勉強の仕方-漢文編

漢文に必要なもの

 

1.音読

以前から私のブログ内では音読がしっかりとできるようになることの大切さについてのべていますので、またかと思う方もいると思いますが、これは本当に大切なことなので、何度も言います。

漢文の文章を見て、そのまま頭の中で書き下し文にして音読できるようにしましょう。学校ではよく、予習でノートに教科書の文章を書き、その横に書き下し文と訳を書いて授業に臨むということをやっていると思いますが、それに似たようなことです。1、2年のうちはそれに従っても良いでしょう。

ただ、高校3年生になったら、そのような無駄は即やめて、漢文を見て頭の中で書き下し文にして音読できるようにしましょう。そして、字を追って簡単に訳出できるようにしていきましょう。 

とにかく漢文に慣れるのです。だいぶ慣れてくると完全な白文になってもふんわりと文構造が掴めるようになってきます。

2.文法・句法

音読がある程度できるようになったら、今度は文法・句法を完全に頭に叩き込んでいきましょう。漢文の文法なんかは特に、数学でいうところの公式のようになっています。例えば、受け身の公式の代表格「為A所B」「AのBする所と為る(AのBするところとなる)」というような形はまさに公式ですよね。

こういったところを隅々まで覚えることができると、この段階になるとセンター試験程度であれば、半分は取れるようになるでしょうか。

 

3.単語

単語というと単語帳をイメージすると思うけれど、よく考えると漢文の単語帳なんてあまり見ませんよね笑

しかし、単語はあります。よく漢文必携や国語の便覧なんかを持っている子は開いて探してみてください。「大丈夫・・・立派な成年男子」というような単語や、「与・・・あたフ、と、ともニ、くみス、あずかル、・・・」と漢字をいくつか取り立ててまとめられ、たくさん意味の書いているところがあるでしょう。これもしっかりと目を通して覚えていきましょう。

ここで、なぜ、3番目に単語が来たかというと、漢字ではあまり出てこない不要なものも中には入っていますが、1、2で音読をたくさん行い、文法を片っ端からおさえると

、よく出るもの、見たことがあるもの、全く知らないものなど、の区別ができるようになるからです。もちろんすべて覚えるに越したことはないですが、緩急をつけて覚えていきましょう。

 

4.最後に必要な2つの力

(1)推測する力

 これは、漢字を見て、その漢字の意味を推測する力です。

例えば「霊」という漢字。以前センターにも出たことがある漢字ですので、知っている方もいるかもしれませんが、この漢字を見て、どういう意味になるか予想できますか?

 答えはもちろん「①魂(たましい)」等の意味もありますが、「②良い・すぐれた」というような意味があります。

ここではどのようにして意味を推測してほしいかというと、「霊」という字を見た際に熟語で推測してほしいのです。「霊魂」や「亡霊」と言われると①の魂の意味が連想できるでしょう?また、「霊長類」ときくとゴリラやオランウータンという「賢い」動物をイメージできるからして、「良い」や「かしこい」といった意味が想像できるのではないでしょうか?

漢文で困った際にはこのように、その漢字が使われる熟語をいくつか想像して、意味を推測していく力が必要になります。

(2)従順に文章に従う力

 こちらもセンターに出た漢字「黄」。こちらはよく見ると、最後の最後に注で「薬」とあるが、文中で最初に出てきた際は注に気づかないので、分からない単語だと思い、(1)の推測する力でもって見ていく。しかし、結果ありきで、見てみると、「黄」という漢字がる薬の名前など受験生が知っているだろうか??漢方にはよく「黄」という字が入る薬があるが、ふつうは知らない。

こんな時は、従順に文章に従う。(ちなみにこれは2012年の本試)

本文4行目、訳をすると、「私には”黄”がある。病を治すことができる。すでに何人も人を救っている。」とある。

だから、ここでは推測ではなく、文に従って、病を治すことができるものが「黄」なんですね。と文章を読み進めていく必要がある。 数学でいうとこれが定義だと思って、「これはこれ」と論理だてて読むことができるようになれば、高得点も狙えるでしょう。特にセンター漢文は国語の単元の中でも比較的点数がとりやすく、漢文で満点を取る人は結構います。

 

 最後に、特に4の2つの力は実践あるのみ。3までをしっかりとやれると点数は30最低ライン、40近くの点数まで行きます。さらにその上を目標にするのであれば、しっかりと実践練習を積んで、4の力を身につけてください。