古文が大好きな数学の先生のブログ

大学入試を中心に教育系ネタを更新しています。

国語学習に速読は有効か

近年、速読を謳う教材や教育雑誌が多い

『子どもに速読をやらせようかな』

という熱心な親御さんも多い

 

先に速読に対する私の結論

国語がすごく出来る子なら賛成

国語が苦手な子は大反対

 

読み方の段階

文章の読み方にはおよそ4種あると考えている

①情報検索

要はこれが速読。

内容理解ではなく、必要な情報を文章から拾っていく読み方。

書き抜き問題では有効。

※あくまで、情報ピックアップのみなので、文章の流れ、要旨、用語どうしの関係、言い換えなんかには気付きにくい。

また、何より記憶にはなかなか残らない。

 

②なぞり読み

よく言われる通読がコレ

内容がうっすら頭に入る程度がこの読み方

 

なんとなくで答えは出せたりするが、この読み方ではまだまだ高得点にはなれない。

 

③部分的な熟読

科目としての国語においてはコレが超大事

話の流れ(展開)を追う

主張の文と根拠の文の区別する

文章の読み方に緩急がつけられる

必要な部分を読み返したりして理解する

内容理解が深まる(言いたい事が分かる)

忠実に問題に答えられる

より理解が深まる

 

普通は無意識にコレをやって問題を解く

コレが読解力であり、論理的に捉える力

 

④超熟読

普段この読み方をすることはあまりない

③の読み方に加え、1つ1つ言葉や意味を調べて1行単位で深く理解して読み進める読み方。

 

私も大学の時以来してません。

私は数学専攻だったので、よくゼミの発表等で代数の教科書を読み進める時、あまりに抽象的な事柄を理解するためにしてました。

 

国語の問題を解くとき

当たり前だが、コレはできない

 

速読は有効だと思いますか?

ご存知の方も多いと思うが

上記の通り、速読はあくまで

さっと見て検索するような読み方。

 

実際に速読をしたことがある人ならわかるだろうが、あれは内容が頭に残らない。

内容合致の問題や、要約にはなかなか対応ができない。

 

解答する際に、キーワードを見つけるには③の読み方でないと大事な部分は分からない。

ただ、キーワードが分かれば速読の技術を使って、根拠の文の検索をかけると時間短縮につながる。

特に、時間に追われるセンターなんかはかなり役に立つ。

 

要するに速読はウォーリーを探せのようなもの

何を探すか分かれば高い検索能力は有効。

しかし、ただ闇雲に検索能力が高くても探すものが分からなければ意味がない。

しかも、どこに何が隠れていたかは記憶には残らない。

 

まとめ

国語が出来る子は③の読み方をいつの間にか身につけ、すでに無意識のうちにできます。

そうでない子は身につけるための練習をします。

私は後者の方でした。中学時代、国語が苦手で、5日間くらいで、文章題100問ちょい解いて身につけました。

そして、次は大学入試の時ですね。書店にあるセンター国語の過去問30年分くらいあるのを全部解きました。中には3回以上解いた問題もあるほど。

その結果、実は私はセンター本番に国語で満点を取れましたが、その時の読み方は③の読み方でやっていました。

私も速読に関する本を読んだりしてみましたが、実際のところ速読だけでは点は取れないと思います。